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シゴトバCAMPUS VOL.6

シゴトバCAMPUS VOL.6の写真

シゴトバTALK  VOL6.

「必聴!! 次々と話題の

ブランドを手がける仕掛人が

全てを語ります。」

必聴!! 次々と話題のブランドを手がける仕掛人が全てを語ります。今回はインテリアショップ「George’s」の展開を進めながら2001年に「CIBONE」をオープン。同時にカフェ「ask a giraffe」、「TMS」も併設し、住空間を中心にファッション、カルチャー、フードなどあらゆる分野を独自のスタイルで繋ぎあわせてきた横川氏(株式会社ウェルカム)と天野氏の対談。

 

2002年にニューヨーク発の「DEAN & DELUCA」の展開も手掛けている横川氏と天野氏は実は社長と副社長の関係でもあった。そんな二人に出会いから話をしてもらった。

 

YOKOKAWA MASAKI / 株式会社ウェルカム 代表

 

横川 正紀

2000年 株式会社ジョージズファニチュアを設立                      インテリアショップ「George’s」を展開

2001年 ライフエディトリアルストア「CIBONE」をオープン

2003年 「DEAN & DELUCA」の日本での展開を手掛ける

2010年 株式会社ジョージズファニチュアから株式会社ウェルカム                  に社名を変更

2012年 ライフスタイルショップ「TODAY’S SPECIAL」をオープン

 

株式会社ウェルカム

http://www.welcome.jp/

 

ー「新しいことをする時は回収スピードは変えてやった方がいい」

 

 

—「横川さんのことを『なんやこいつ』と思っていた(笑)」

 

天野:今日はようやく横川さんとこういう場を設けることができて、ちょっと恥ずかしい感じなんですけどね(笑)

 

横川:恥ずかしいですね。多分みなさんあんまり恥ずかしい意味がわからないとは思うんですけど(笑)

 

天野:僕と横川さんは、僕が独立した5年前くらいに、横川さんが社長、僕が副社長の関係でした。で僕が独立をして今の会社をやり、横川さんの方は今CIBONEやDEAN & DELUCA含めてやってらっしゃるということで。

 

横川:一緒に13年前に、株式会社ウェルカムの前身の株式会社ジョージズファニチュアという会社を2人で立ち上げてやっていました。それでちょうど10年目になる年で僕がフラれまして、離婚することになったという感じですね(笑)

 

天野:(笑) 最初の出会いは、僕が平成元年に京都の北白川でジョージズファニチュアというお店をやっていて、その店舗の上の学生マンションに実は横川さんが住んでたんですよね。

 

横川:東京生まれなんですけど、大学で京都に行って、引っ越したマンションの1階にあったんですよね。

 

天野:おしゃれな雑貨屋さんが?(笑)

 

横川:おしゃれな雑貨屋さんが(笑)

 

いやこれ冗談抜きで、そのマンションに決めたのがその雑貨屋さんがあったからで、他のマンションより少し高かったんですけどそこに決めたんですよ。

 

天野:その時は全然お互いのことを知らなくて、でも駐車場が一緒やったんですよ。それで僕は普通に車停めてたんやけど横川さんは学生やのになんかでっかいアメ車のトラックを乗り回してて、いつも髪の長い女の子が横におって、なんやこいつって思ってて(笑)

 

横川:譲滋さんは赤いボルボでね(笑)お互い隣同士に車を停めてて。

 

天野:それで結局横川さんが学生時代はお互い知らないまま、ゆくゆく共通の知人の廣瀬さんに仲人的に会わせていただいて、って感じですね。卒業してからは横川さんはどうしてたの?

 

横川:精華大学で建築の勉強をしていて、卒業してまた東京に戻って、Pier 1(ピアワン)という全米だと1000店舗くらいあるんですけど、このお店の日本のフランチャイズビジネスを立ち上げるってことをやってました。

 

天野:これアメリカでも走りのライフスタイルショップだよね。

 

横川:そうですね。ホームファニシングストアとアメリカでは言いますね。

 

天野:これを日本に持ってきてフランチャイズをやってた?

 

横川:フランチャイズをやってた会社に勤めたんです。

 

 

—「仕入れの方法もわからなかった」

 

横川:僕がPier 1で学んだのは、アメリカでうまくいってるのをただそのまま日本に持ってきても難しいってことと、新しい店舗を出す時に当たり前ですけど、どういうマーケティングをしてどこに出店していくのかっていうのを、特に新しい業態をやる時には、そこの戦略が何よりも大事なことやなと、失敗も含めて、学びましたね。

 

天野:そういう面で僕もそのころインテリア雑貨とかをやっていたので、譲滋さんちょっとコンサル的な感じでPier 1を1回見てねって話になって。

 

横川:そもそもPier 1というお店がうまくいかなくて、このままやと撤退になるから、なんで売れへんのやろう何が悪いんやろうってことで譲滋さんに相談しに行ったって感じですね。

 

天野:でその時に僕思ったのは、さっき横川さん言ってたみたいに日本にローカライズしてなかったから、まんまアメリカの生活で、これテキサスの太ったおばちゃんの生活ちゃう?っていうような(笑)

 

横川:花柄のソファとかね(笑)

 

天野:で、ソファも日本なら必ず足が取れるのでドアに入るじゃないですか。でもアメリカのソファなんで足がくっ付いてて取り外せなくて、日本で買った人の3分の1くらいの家にはドアに入らなくて返品みたいな感じやったもんね。

 

そういう先ほどの話みたいに、マーケットに合わせてローカライズっていうのは本当に大切だと感じたし、商品にすっごいアメリカの雰囲気はあったんだけど、それがそのまま日本のマーケットにっていうのはどうかなっていうのはありましたよね。

 

横川:ほぼ100%アメリカの商品で、100%アメリカの設計で出店場所だけ僕らで決めてたんですけど、どうやっても売れなかったんです。今思えば商品だけじゃないんですけど、何しても商品が半分くらい売れなかった時に、本社側が日本でも仕入をしていいよと解禁をくれたんです。

 

でも当時僕はギフトショーも行ったことなくて、というのもそれまで日本で仕入れを一切しちゃいけなくて、バイヤーの担当だったんですけどあくまでPier 1の本社に行って社内の展示会から商品を買ってるだけだったんで、自分で新たに仕入れるって方法がわからなくて。

 

そういう状態だったのでさっきの廣瀬さんに、「僕の中で1番相談したい人が誰かって考えたら、あの自分が学生だった時に住みたい家を決めるきっかけになったあの店の店長さんに話聞いてみたいんですけど」って言って、ヒロセさんを通じて譲滋さんにお会いして、お店の立て直しをコンサルティングみたいな感じで入ってもらったんですよね。

 

天野:そこから一緒にやっていったね。

 

横川:それで半年くらいお手伝いをしてもらっている間に、譲滋さんの言ってることを実現しようと思うんだったらPier 1じゃない方がいいよねってことになりましたね。

 

当時のお店のPier 1との契約をやめて、新しくやり替えていきましょうという感じになって、まあもうちょっと正確に言うと事業撤退になってしまったので、今ある店舗を買い取らせてもらえませんかと。僕と譲滋さんとで立て直しをしたいと。

 

今思うと子供みたいな話なんですけど、一緒にやってる仲間が150人くらいいて、自分も含めてこいつらみんなクビになるんだなと思うとなんか悔しくて。それで普通ならできないですけど父に頭を下げて、会社の資産ごと買ってもらって。それをとりあえず1年で赤字を止めて、そっから先3年で返すからやらせてって言って。

 

結局5年くらいかかったんですけどね(笑)

 

天野:でもあのリニューアルはすごかったよね。

 

横川:19店舗一気に、いわゆるスクラップアンドビルドで。

 

天野:1ヶ月で3店舗リニューアルしたりとか、死ぬかと思いました(笑)

 

横川:死にそうでしたね(笑)

 

天野:名前もファニチュアをとって、ジョージズにして。

 

横川:譲滋さんと話して、全店統一してやっていこうって時に、お店の名前にファニチュアって付いてると家具屋だけど、もっとライフスタイルのお店になっていくには広がりのある名前の方がいいよねってなって、ジョージズにしましたね。

 

 

—「ランチョンマットの右上にカレー」

 

天野:どんどん店舗も増えて24、5店舗くらいになった時に、だんだん仕入からオリジナルを作っていくようになって、雑貨も家具もね。失敗もありましたよねー。家具買ってきたけど全然売れへんかったりとかね。

 

横川:3年に1回くらいやりますよね。(笑)

 

天野:そうだね(笑)1番があの、ランチョンマットをインドで作ったじゃないですか?ある時に各店舗から、「すみません。ランチョンマットの右上に何かついてるんですけど。」って連絡があって、それで「送ってこい」って言って送ってきてもらったら、20店舗くらいのランチョンマットの右上にカレーがついてるんですよ(笑)覚えてない?

 

横川:覚えてないですね(笑)

 

天野:それで何ヶ月後かに、マットを作ってるインドの工場に行ったら、何百人といる工場でお昼はみなさん右手でカレーを食べるんですよね。そこから昼の作業してくださいってなるんですけど、検品の係の人たちがお昼ご飯を食べた洗ってない手で検品してて、「あ、これやー!」ってなって(笑)

 

それでその工場に、ご飯食べたら手を洗いましょうって書いてもらったんですよね。

 

横川:ありましたね。まあそれ僕らの失敗じゃないですけどね(笑)

 

天野:まあそうっちゃそうやけど、そういうことが山のようにありましたよね。

 

 

―「不思議な縁」

 

天野:僕らがニューヨークの出張に2人で行ったりした時には必ずDEAN &DELUCAのソーホーの本店に行って、こんな店やりたいなーってインテリアショップ屋でありながら言ってたのが、何年かして実際にその話が来たんですよね。あれ最初はどういう流れだったの?

 

横川:いま譲滋さんが言ったように、2人で出張で海外に行ってこんな店があったら良いよねーって言ってたじゃないですか。ただちょっとやったことのない分野だったのでどうかなーってなってた時に、DEAN & DELUCAのアメリカの本体が日本でやりたいって言ってるってのをある人のツテで聞いて。

 

だから不思議な縁ですよね。別にDEAN & DELUCAをやりたいって思ってた訳ではなくて、ああいう感じのお店をやりたいって思ってたら、自分たちの憧れの店から逆に誰かやらないって言われて、「それはやるでしょ!」って言って(笑)無謀にも手を挙げたんです。

 

 

—「始まりは小さなチーズ店」

 

天野:DEAN & DELUCA自体はどういうコンセプトで作られたブランドなんですか?

 

横川:DEAN & DELUCAは1977年にニューヨークのソーホーで生まれたお店で、食のセレクトショップです。当時70年代後半のアメリカの高度成長期の中で、何もかもが便利でインスタントになっていってて、例えばオレンジジュースは粉のものが当時1番売れてたんですね。どこでも飲めるからっていう理由で。そういういわゆる食の技術革新みたいなものが横行していて。というのもアメリカの食に長い歴史がなかったので、海外から入ってきたものをアメリカはアメリカなりにアメリカナイズドしてたんですよね。

 

ところがDelucaはイタリア生まれなんですよ。シチリアにお父さんが生まれて、自分は小さくしてアメリカで育つんですけど、血はイタリアなんですね。Deanも東欧なんですけど、ヨーロッパの食に対する考え方とかを知っている人からすると、アメリカのその当時のフードカルチャーというのは、このままで人間が豊かになれるはずがないと。

 

天野:ジャンクフードばっかりですもんね。

 

横川:当時ソーホーって治安もそんなに良くなかったそうなんですけど、倉庫街みたいなところでアートギャラリーがすごく多くて、そこからファッション、ハイカルチャーみたいな流れがあって。その最中に、デザインとかアートとかに関心のある人の次にあるものってなんだろうってDeanとDelucaは考えていたんですよ。

 

で、本当に感度のいいものを追いかけていった先に結局戻ってくるのは自分自身だと。洋服もアートもいいけど、結局それを着る自分自身が豊かじゃないとダメだと。

 

そういうとこから、豊かな食をちゃんと紹介していく店があるべきだとなって。小さな15坪くらいのチーズ店から始まるんです。

 

天野:最初はチーズ店だったんだね。

 

横川:そうなんですよ。それも「the cheese shop」っていう名前の。

 

最初はイタリア生まれのDelucaのお父さんが、リトルイタリーに食材を卸すフードブローカーだったんで、イタリアからの食材ルートがあったんですね。なので彼は普通にイタリアから送られてくる自分が大好きなパルミジャーノ・レッジャーノとかサラミとか、そういうものを売る小さなお店をやってたんですよ。

 

そのお店にDeanがお客で来て、Deanはある出版会社の編集部長だったんですけど、とっても文学的な知見の高い人で、「君がやってることはイタリアからの輸入だけど、もっと世界を旅して世界のいろんな食に出会って、それをちゃんとアメリカに紹介していく店がもしできたらそれってすごいことじゃないかな」って言ったんです。そしてそんなお店を2人ないしその周りの人たちで始めることになるんです。

 

Deanの知人のJackっていうアーティストがいて、でそのまたDeanが大好きで通っていたレストランのシェフでPhilipってのがいるんですけど、DelucaとDeanとJackとPhilipっていう、感覚的に繋がれる全然違うジャンルにいた4人が集まってやってたんです。

 

天野:確かに全然違う4人だよね。

 

横川:ちなみにDelucaはチーズ屋始める前高校教師だったんで、Philip以外は食にも関わってないし、もっというとグロサリービジネス、つまり食物販のビジネスには誰も踏み込んだことがなかったんですよね。

 

で、チーズショップがだんだん大きくなっていくんですけど、彼らの歴史聞いてると途中で銅鍋買いすぎて在庫がすごいことになっちゃったり、バルサミコビネガーを買いすぎて困ったんでニューヨークタイムズの記者に書いてもらったらこれがバカ売れしたりとか。

 

1番最初有名になったのはバルサミコビネガーだって言われてるんですけど、実は不良在庫処分をしたくて、ライターにただで飯を食わして書いてもらったらバカ当たりしたっていう(笑)

 

天野:へーそうなんだ。でもビジネスとしてはみんな素人だったんですね。全くもって。

 

横川:そうですね。まあ素人だし、どっちかというとアーティストというか、やりたいことのある感度の高い4人っていう感じですね。

 

天野:だからやっぱりソーホーの本店なんかカッコいいもんね。

 

横川:あれはそのDeanのパートナーが建築家なんですよ。免許は持ってないんですけど、アーティストで建築が得意で。だからロゴマークも、今でも守られているDEAN & DELUCAのデザインフィロソフィーの全てはその建築家が作ったんです。今でも元気な80歳くらいのおじいちゃんなんですけど。

 

天野:すごいキレイですもんね。あのロゴはね。

 

横川:そんなJackっていうアーティストの彼氏がDeanで、その2人がそういうベースを作っていて、そこにマーチャンダイジングとコミュニケーションをDelucaとPhilipで作っていたっていう感じですね。

 

 

ー「新しいブランドを作る時は回収スピードを変えてやった方が良い」

 

天野:最後になんですけど、横川さんがブランディングしながらちゃんと経営を成り立たせている秘訣というか、意識していることはあるんですか?

 

横川:リアルにそこにいる人のストーリーを考えて、そこに人格を作りますね。

 

天野:それは横川さん自身がその人格になるんですか?

 

横川:僕自身もなるし、関わっている人全員がそれを持てるような、いわゆるコミュニケーションからまず始めますね。僕がなんでもわかる訳ではないので、やり方としてはまず最初に自分と賛同してくれそうな人とご飯を食べに行き、そこでだんだん話が盛り上がってくると、自然とそこに人が集まってきて、その強い集まりが5人10人くらいになって、その中のメンバーと新しいことをやっていってるっていう、最初のきっかけはそういうのが多いですね。

 

天野:一方で経営者としてね、これ本当に当たるんだろうか、人が来るんだろうかとか、DEAN & DELUCAを日本に引っ張ってきて日本の食生活に合うんだろうかとか、そういう不安はすごいあるんでしょ?

 

横で僕はずっと見てて、僕は副社長でどっちかというと役割的にブレーキを踏まないといけないんで、横川さんがフルに暴走して僕がブレーキを踏むみたいなことが最後の方はあったんですけど(笑)横川さんは中途半端にやるんじゃなくて、やるなら振り切ってやる方が合ってるんですか?

 

横川:それはそうですね。ビジネスとして、いつまでにどう回収するかというのは当然必要なんですけど、ただ何か新しいジャンルに入って、新しいあり方とか業態とかを作ろうと思うと、最低で3年かかるっていうのは僕らの中でなんとなく経験値でわかっていて。

 

似たようなものが元々あってそれをスタイル変えてやるんだったら多分もっと早いんですけど、やってないような新しい仕組みとか、お客さんの中で最初「なにそれ?」ってなるような新しいことをする時は、まず最初にスタッフも含めて自分たちがやって理解するのに1年、そこからお客さんに馴染んでいくって感じなので。

 

天野:血となり肉となっていくんだよね。

 

横川:なので、いわゆる一般的な投資回収は3年と言われるんですけど、それは「無理です」と。今までやったことのないことを浸透させていくのには、3年はかかるから、少なくとも3年で7割の回収にさせてくださいと。そして5年で全部回収しますと。

 

そういう風に、新しいことをする時は回収スピードは変えてやった方がいいと思います。少し時間はかかったとしても、ブランドをちゃんと作って、ファンを増やしてちゃんとそこにブレないアプローチがあれば、そこに共感してくれる人たちはいるので。その強い繋がりを大切にして。

 

天野:そうだよね。CIBONEにしてもDEAN & DELUCAにしても業態を超えてどっちも大好きっていう熱烈なファンがいるもんね。

 

横川:業態の垣根を越えるのは当たり前で、その先にある自然のまとまり感みたいなものをどうビジネスにしていくのかっていうのを最近は改めて考えている気はしますね。

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