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シゴトバCAMPUS VOL.7

シゴトバCAMPUS VOL.7の写真

シゴトバTALK  VOL7.

「ビジネスでも応用できる!!

真剣勝負の格闘技で培った

集中力と直感力」

今回のゲストはキックボクサーであり総合格闘家の小比類巻貴之さん。
究極に自分を追い込む稽古を敢行することから「ミスターストイック」とも呼ばれています。K-1 WORLD MAX 日本代表決定トーナメントで史上最多の3度の優勝。現在は小比類巻道場を主宰しキックボクシングと空手道の指導をされています。並外れた集中力の背景に何があるのか、ビジネスにも応用できるものは何か、探っていきます。

KOHIRUIMAKI TAKAYUKI / 総合格闘家

 

小比類巻 貴之

K-1 WORLD MAX ~日本代表決定トーナメント~

2004,2005,2009史上最多3度の優勝

ISKAオリエンタル世界スーパーウェルター級王者

 

小比類巻道場

http://kohigym.com

 

オフィシャルブログ「サンドバッグと牛乳」

http://ameblo.jp/kohiruimaki/

 

ー「いろんな人に感謝をして、力が100%から120%になる」

 

 

 

―「単純にケンカに強くなりたかった」

 

天野:今日はよろしくお願いします。

 

小比類巻:お願いします。

 

天野:今日は格闘技の裏話も含めて話を聞きたいなと思っているんですけど、テーマの方が集中力と直感力ってことで、ビジネスの人にもかなり応用ができるんじゃないかなと思ってます。
ではまず、格闘技に入ったきっかけってどんな感じだったんですか?

 

小比類巻:きっかけはもう単純にケンカに強くなりたいってとこですね(笑)

 

天野:おぉー(笑)バリバリのヤンキーだったんですか?

 

小比類巻:いや、全然そんなことはないです(笑)中2で空手を始めたんです。

 

天野:空手を始めた理由は、強くなりたいってとこから?

 

小比類巻:周りが結構不良というか、みんな強くて。このままだったら3年間ずっと下向いて歩かないといけないなと思って、これはまずいなと感じたんです。

 

天野:なるほど、それで空手を始めたんですね。最初は極真を?

 

小比類巻:そうです極真ですね。ほんとはボクシングをやりたくて中1の時に自己流をやってたんですよ。でもさすがに田舎にジムがなくて、空手道場があったので空手道場に行きましたね。

 

天野:それはもう真面目に通って、成果も上がってたんですか?

 

小比類巻:最初は中学生の中で強くなろうと思ってやってたんですけど、田舎の空手の道場だったので人数がいなくて、先生と僕と生徒が後3人くらいだったんですね。しかもみんな大人でいきなりKOされたりして、そこからは大人に勝つことが目標でやってたらどんどん強くなっていきましたね。

 

天野:大会とかも出てたんですか?

 

小比類巻:1番最初のデビュー戦が、三沢(青森県)に米軍基地があってその米軍基地の中で年に1回格闘技大会をやっているんですけど、それが空手とかテコンドーとかいろんな流派の中で1番を決める大会で、それでしたね。

 

天野:え?他の人はみんな外国人の人?

 

小比類巻:全部アメリカ人ですね。しかも大人ばっかなんですよ。それが高校1年生の時なんですけど、試合の会場もアメリカ人ばっかりで。しかも軍隊の人たちなんでかなり鍛えてて(笑)

 

天野:いきなり高1が大人のアーミーと試合ですか(笑)ちなみに結果はどうだったんですか?

 

小比類巻:まずリーグ戦で4試合くらいしたんですけど、僕全勝したんですよね。それで決勝に行って、相手が黒人の子で結構強かったんですけど、結局優勝しましたね。

 

その後決勝で対戦した相手の控え室に行ったら、その黒人の子が流暢な日本語で「僕も君と同じ空手やりたいんだけど」って言ってきて、「今何歳?」って聞いたらタメで、そこから同じ空手道場で一緒に練習をしてましたね。

 

それで高校を卒業したら僕は東京に出て彼はアメリカに帰ったんですよ。ご両親の仕事の都合で。で、アメリカに帰ってからも空手を続けていたらしくて、後から聞くと4年に1度の世界大会のアメリカ代表になってたんですよ。

 

天野:へぇー!それすごいね。じゃあ、今の話だと高校卒業して東京出てくるってことだったけどその時はもう何をするかは決まってたんですか?

 

小比類巻:その時は決まってなかったんですよ。僕が高校生の時に空手で青森県のチャンピオンになって東北のチャンピオンにもなったんです。それで代表として東京で試合をすることになったんですけど、その時に東京のいろんなジムとかを回っていたらいろいろとやりたいことが出てきちゃって、もうとにかく東京に出てそこから何をやるか決めようってなって。

 

天野:まず出てきたんだ。それはもうこれで食っていこうって思ってたって訳ですよね。

 

小比類巻:そうですね。それで東京に出てから、後楽園ホールでラモン・デッカーっていうオランダのキックボクシングの選手、キックの帝王って言われるくらいすごい強い選手なんですけどそれを見て、この人と試合したら俺はもう格闘家として自分で自分を認められるなと思って、キックボクシングを始めましたね。

 

それが18の時で、19でプロデビューをして、22の時にラモン・デッカーと僕試合をしたんですよ。

 

天野:え!日本で?どうだったんですか?

 

小比類巻:日本で。それで僕KO勝ちしたんですよ。

 

天野:それすごいなー。それでK-1は何歳くらいの時ですか?

 

小比類巻:あれは23くらいの時からですね。K-1のKは知ってる人もいると思うんですけど、空手とか格闘技とか拳法とか、この中で1番の人を決めようってことでK-1って名前なんですけど、それで僕はキックボクサー代表として出てったんですよね。

 

天野:その時はどういう感じでした?もちろんテレビ放映もあるじゃないですか。

 

小比類巻:その時は結構エース的な扱いで、テレビとかにも注目してもらってたのでとにかくプレッシャーが半端じゃなかったですね。試合前のコールの直前とか手が震えて力が入らなかったです。

 

天野:それって緊張で?

 

小比類巻:緊張で。

 

 

―「準備の質」

 

天野:今日のテーマでもあるんですけど、試合前の集中力ってどうやって高めていくんですか?

 

小比類巻:結局は準備なんですよね。試合に向けての戦略も立てて、対戦相手の研究もして、ものすごい準備をするんですよね。そして自分の技に自信を持っていけば、ある程度は緊張感がなくなって集中に持っていけるんですよね。

 

天野:でも直前になるとさっきみたいに手が震えたりって言ってたじゃないですか。以外とリング上ではそんなになんですか?

 

小比類巻:リングに上がると吹っ切れますね。リングに上がってコールを呼ばれた時はもう力がみなぎってますね。

 

天野:コヒさんとこうやってプライベートも含めてお付き合いさせてもらってて、普段はそんな格闘家っぽい「ガーッ!」としたような感じじゃないけど、どういう時にスイッチ入るんですか?

 

小比類巻:スイッチはやっぱり対相手になった時ですかね。自分がやられると思ったときですね。

 

天野:それはもう本能的にですか?

 

小比類巻:本能的ですね。僕いま脳科学の方からいろいろとお話を聞く機会があるんですけど、闘争心とか集中力が生まれる時って自分が恐怖にさらされている時らしいんですよ。だからピンチに陥ったりとか、これやんなきゃなんないとか、そういう状況の時に脳がそういった指令を出すらしくて、そこで闘争心が出るらしいんですね。

 

天野:生半可に出るもんじゃないんですね。

 

小比類巻:そうですね。それと集中に入りやすいっていうので運動は良いらしくて。

 

天野:僕も通わせていただいてて、コヒさんのとこのジムに通ってるビジネスマンの人から仕事ですっごいプラスになったとか聞いたんですけど、実際どうですか?

 

小比類巻:全く格闘技に興味のない人が運動がてらに来て、体が締まったとかよりも仕事ができるようになったんだよねって言う人が多くて驚いてるんですよね。

 

天野:僕なんて全く集中力のない人なんですけど、目の前にコヒさんのミットがあったりしたらやっぱり集中せざるを得ないし、ああいう一瞬の感じを続けていくと集中力が増していくというか。コヒさんもそういう影響は感じてるんですか?

 

小比類巻:僕も仕事というか、何か期日までにやらないといけないって時に、良い影響はありますね。

 

天野:じゃあコヒさんの場合は、ある程度集中力を上げるための部分とかはコントロールできるというか。

 

小比類巻:そうなんですよ。わかってるんですよね。

 

 

―武器を磨きながら準備をすること

 

天野:もう1つ今日のテーマが直感力で、試合なんかはお互いの直感力の戦いみたいなもんだけど、次こう来るなっていうのを考えている暇ってあるんですか?ああいう試合の時って。

 

小比類巻:あれは練習で考えるんですよ。で、試合は感じるんです。なんかブルース・リーも同じようなこと言ってましたね(笑)

 

天野:それブルース・リーのパクリじゃない?(笑)大丈夫?(笑)

 

小比類巻:(笑)例えば、僕は武器があるんですよ。パンチが武器で、ローキックも武器ですね。ハイキックも武器です。あと前蹴りも武器なんです。膝蹴りも武器なんです。そのそれぞれを1個の刀として、それぞれを磨いていきますよね。そして全てをパーフェクトに磨いて、試合に挑むんですよね。

 

そうするとやってる最中に、「ここでこれだ!あれだ!」とかじゃないんですよ。やってる瞬間になぜか相手の急所、あごとかお腹とか、急所の点がピッピッピって見えてくるんですよ。で、その見えた点を蹴っていく感じですね。

 

天野:それはデビュー当時とかは見えてこなかったの?

 

小比類巻:そうですね。デビュー当時は全くわからなかったです。

 

天野:それは試合を重ねたり経験を積むと、ポイントがだんだんと見えてくるようになるんだ。

 

小比類巻:そうなんです。で、トップの選手はそのピンポイントを常に隠すんですよ。なのでそういう選手の時はフェイントを使ったりして空いたところを狙いますね。

 

天野:じゃあそれは高いレベル同士だと相手の選手も点がわかってるってこと?

 

小比類巻:そうですね。自分の急所の点を常に隠しながら、相手の点を空けていくって感じですね。その中に相手がちょっと気を抜いた瞬間とかがあるんです。そしたらその瞬間に閃くんです。そして「空いた!」と思った瞬間にはもう出てますね。自然と。

 

天野:すごいなー。それってもう一瞬の世界ですよね。

 

小比類巻:そうです。それって結局、リングに上がる前にちゃんと作り上げておけば出るんですよね。ちゃんと刀を全部磨いておけば出るんですけど、磨かないで何も準備しないでみんな出ちゃうから、ここぞという時に出ないんですよね。だから練習で考えて、いっぱい磨くと。試合ではもう感じると。

 

天野:それは相手のウィークポイントとかそういうのをデータ分析するから急所のポイントが出る訳ではないんですか?自分の刀を磨くから出るんですか?

 

小比類巻:実はどっちもなんですよね。だいたい試合って50日前に決まるんですよ。で、この対戦相手はパンチがすごく上手な選手でパンチをもらうと1発で倒されてしまう可能性があるとなると、パンチでいったら分が悪いので、こっちはキックと膝蹴りでいこうと。そうなったらまずは蹴りをバンバン磨きますよね。で、もしこの蹴りが通用しなかった場合、最後パンチもいくかもしれないってことでパンチも磨きます。こういう自分の武器を準備するんです。

 

そしてもちろん最低限のフィジカル、スタミナとか筋力もつけて、それを全部準備していくんですよ。そうするとだいたい型にはまるんですよね。そしてその型にはまった状態で、試合中の空気の流れで、点が見えて閃きがバーンって決まったりするんですよ。

 

天野:なるほど。それってビジネスとか仕事で、例えば営業行く時とか僕らもプレゼンとか企画する時とか競合がいたりして、なんかそれに近い感じがしますよね。
やっぱり準備不足が1番ダメだし、向こうのウィークポイントばっかりを調べててもあれだし、自分たちの会社の武器をそれこそ磨いていってプレゼンをして。そうするとプレゼンの時のクライアントさんの空気ってやっぱりあるし、「これいけたな!」とか、「無理だったなー」とかっていうのはやっぱりあるから、そういう意味ではビジネスに近い感じですよね。

 

 

―「メインのトレーナーの声だけ聞こえる」

 

天野:試合中に「もっと右だよ!」とか「フックフック!」とか言ってるトレーナーの声って聞こえるんですか?

 

小比類巻:あれ何万人という会場の中でバァーってうるさいけど、たった1人のメインのトレーナーの声だけ聞こえるんですよ。

 

天野:ほんとに?ヤジとかはあんまり聞こえない?

 

小比類巻:ヤジもたまに聞こえますね(笑)

 

天野:聞こえるんだ(笑)でもメイントレーナーの声はやっぱり違う?

 

小比類巻:そうですね。なんでこれ聞こえるんだって思ったら、毎日一緒に練習をしていて、その時にトレーナーがいつも声をかけてくれるんですよね。「ここ前出ろ」とか「距離とれ」とか言ってくれてるんで、この声がやっぱり耳に馴染んでるんでしょうね。なのでどんなにうるさくてもこの声だけは聞きとれますね。

 

天野:それちゃんと聞き取れて理解して試合の中でも修正していくんですか?

 

小比類巻:そうですね。でもトレーナーが言ってても自分はこれだ!と思ったら聞かないでいきますね。

 

天野:へーほんと!

 

小比類巻:ありますあります。状況によりますね。

 

 

―「トレーナー見たら口あけてましたね(笑)」

 

天野:今まで対戦した中で、この人はやりづらいなって思った人は誰ですか?

 

小比類巻:やりづらかったのは、ムエタイの選手でブアカーオって選手がいたんですけどあれめっちゃやりづらかったですね。

 

天野:なんでですか?

 

小比類巻:例えば基本の技術のページが1から100まであったとして、彼は150ページとか120ページとかの僕が持ってないページを出してくるんですよ。

 

天野:知らねーよこれ!みたいな(笑)

 

小比類巻:やってる最中に、「この技知らないんだけど!」ってのがきて倒されて、迷いますね。「何これ?」みたいな。自分の脳の教科書に入ってないんだけどってなって。

で、僕トレーナーのほうをどうしたらいい?みたいな目で見ると、トレーナーの方も口あけてましたね(笑)

 

天野:俺もわかんねーみたいな(笑)

 

小比類巻:あれは困りましたね(笑)

 

天野:へー。それはムエタイっていう競技の中のページなんですか?

 

小比類巻:そうなんですよね。ムエタイっていうのは組み付いてから、組み付いた瞬間に合気道みたいにフッと投げたりするんですよ。ああいう技術をこっちは全く知らないので。タイの中でも彼はその部分が世界一なんですよ。

 

で、相手に触れた瞬間にかわされて、あれっと思ったら心臓に膝蹴り入れられたんですよ。それで、心臓に入れられるとどうなるかっていうと、全身の力が抜けて、意識は全然あるんですけど力が入ってなくて、ダウンと言われて、何これ?みたいなパニックです。でトレーナー見たら口あけてましたね(笑)

 

 

―「心の平熱と回転数」

 

小比類巻:今、脳科学を研究されてる方とお話する機会がよくあって、教えていただいたのが、集中力って恐怖とか必要に迫られたときに発揮されることが多いんですって。

 

天野:確かに追い込まれると、そうせざるを得なくなることがありますからね。ただ僕なんか集中力がない人間なんですが、なんか格闘技から今の仕事に活きてることってありますか?

 

小比類巻:格闘技って、相手との距離があるので、離れてる時って怖くないじゃないですか。近づいて来ると怖くなってくるというか。

 

天野:うんうん。

 

小比類巻:離れているときがその回転力がこのぐらいだとすると・・・(糸を巻き取るように両手を胸の前でまわす)

 

天野:ちょっとまって、何の回転力?

 

小比類巻:心のです、心。えーっと、火に例えると、相手が近い時ってのは炎がワァ〜!って燃えてる状態なんです。相手が離れてるときは、その炎は弱まってるんです。
仕事において考えると、「絶対にこれやらなきゃいけない!」とか、「間違っちゃいけない!」ってときにはその炎というか回転力を予め上げてから取り組むんですよ。

 

天野:あぁ、じゃあ自分でコヒさんはある意味コントロールできるってことなですね?

 

小比類巻:そうなんですよ。試合だと、相手も回転数を上げて迫ってくるんですよね。

 

天野:そうですよね。

 

小比類巻:そのときに、相手の回転数に合せずに、こっちがゆっくりのままだとエラい目に遭うんですよ(笑)

 

回転数をリズムに例えると、相手が「タタターン!」って感じのときに、自分が「タンタンタン・・・」ぐらいだと危ないんで、相手のリズムに合わせて様子を見るんです。心の回転数は上がっているけど、頭は冷静っていう感じですね。そうすると相手の手が全部見えてくるんですよ。(パンチを)受けて受けて、返す、受けて、受けて、受けて、返す・・・ってやってるとこっちが有利になってくるんです。

 

天野:でもずっと回転数を上げ続けることってできないですよね??

 

小比類巻:そうなんです。人間の体温も35度とか36度何分とかじゃないですか。50度とか20度とかになっちゃうと大変な事になっちゃう。

 

心も一緒で、普段は平熱を保つことが大事なです。そうすることで、メリハリが分かってきて、「今上がってるな」とか「もう少し落ち着かせよう」って客観的に見る事ができるようになるんです。

 

 

―「いろんな人に感謝をして、力が100%から120%になる」

 

天野:最後に、集中力と直感力のコヒさんなりのトレーニング方法とか、集中力を高めるためにコヒさんなりのトレーニングとかあったんですか?

 

小比類巻:特に自分は追い込んでましたね。

 

天野:追い込むと集中力は高まる?

 

小比類巻:高まりますね。

 

天野:コヒさん自体は、心が最初から強い訳ではなかったんですか?

 

小比類巻:格闘技って、小心者なほど強いんですよ。

 

天野:どういうこと?

 

小比類巻:チャンピオンクラスいるじゃないですか。みんな結構小心者なんですよ。ビビリが多いんですよ。

 

天野:そうなんだ。それを克服するために、トレーニングをするんですか?

 

小比類巻:そうですね。もういかに自分がちっちゃな人間で、でっかな人間を倒さなかったら自分はやられてしまうって思ったら、必死になって生きようとしますよね。それが集中力になりますね。だから自分を追い込むことですね。

 

天野:じゃあもう1つ、直感力を養うのってどういうトレーニングとかがあるんですかね。経験ですか?

 

小比類巻:キャリアもそうだし、僕の場合は、これちょっと関係あるかわからないですけど、100%を50日間でつくってきて、対戦相手の戦略も練って、自分自身もつくれてて、この100%でリングに上がったら問題ないと。でも僕減量があったんですよね。試合前って。

 

天野:コヒさんの場合、通常の体重からどれくらい落とすんですか?

 

小比類巻:普段オフは80キロくらいなんですけど、試合は70.0なんで、それをだいたい50日で落としますね。最後の1週間で73キロくらいになっていて、残りの1週間で3キロ落とすんですけど、この3キロってもう体脂肪が6%とか切ってるんで、後は水分を落とすんですよね。体の中の水分を全部出し切っちゃって。

 

天野:あの試合前の計量っていつあるんですか?

 

小比類巻:試合の1日前の11時です。

 

天野:じゃあその時はもうカラッカラな感じですか?

 

小比類巻:カラッカラですね。で、だいたい1日で500グラム落ちるって言われてるんですよ。なので計量前日の夜寝る前に70.5キロにして寝ると、だいたい500グラム落ちてるんです。なので後は11時まで待とうって感じなんですけど、飯も食えない、水分も摂れないんで、もうカラカラで声も出なくて。

 

天野:それって逆に弱々しいですよね。

 

小比類巻:もうその時は戦える状態ではないですね。計量の前日とかは神経が過敏になってるのでだいたい寝れなくて、でも寝なくちゃいけないので、僕はこの時に食べたいものを書いてましたね。カツ丼とかパスタとか。

 

天野:それってより食べたくならない?(笑)

 

小比類巻:これがすごいんですけど、落ち着くんですよね(笑)食べた気になるんです。だいたいノート半分くらいに書いて、書き終えるともうお腹いっぱいなんですよ。

 

天野:ほんとに?落ち着くんだ精神が??

 

小比類巻:そうなんです。それでだいたい夜中の3時くらいに寝て、10時に予備計量に行って、11時に公開計量で70.0でパスして。それでそこから30分かけてだいたい3〜4リットル水分を摂ります。もう飲み始めたら止まんないんですけど、飲み終わって腕見ると毛穴から水分出てくるんすよ。で体も温かくなってきて。

 

天野:それくらいカラカラなんだ。

 

小比類巻:カラカラです。そしてそれから食事ですね。

 

天野:その時は何を食べるの?

 

小比類巻:うどんとかご飯とか炭水化物ですね。明日のエネルギーにするために。で、良いって言われてるのがフランスパンなんですけど普段あんまり食べないんで、フレンチトーストにして食べますね。

 

天野:めちゃくちゃおしゃれな感じですね(笑)計量後はどれくらい食べるんですか?

 

小比類巻:4食ですね。寝るまでに。

 

天野:で、何キロになるんですか?パスしてから。

 

小比類巻:パスしてから78キロになりますね。

 

天野:えぇぇぇ!?逆に体調悪くならないですか?(笑)

 

小比類巻:いや、もうフルエネルギーになって回復してきます。

 

天野:へぇー。その1日2日すごいですね。

 

小比類巻:結局試合の直前は73kgになってるんですけど、

 

天野:え?

 

小比類巻:トイレとかカロリーを消費してそうなるんですよ。

 

天野:なるほど。

 

小比類巻:そして最後、「よーし完璧だ。寝るぞ。」と思って電気消して横になるじゃないですか。そしたら心臓が「ドクン、ドクン・・・」って妙に心音が聞こえるんですよ。「うわぁ、明日試合だぁ・・・」って(笑)

 

天野:いやぁ〜、すっごいプレッシャーだな、それ。

 

小比類巻:だんだんイメージが膨らんできて、頭の上を対戦相手のパンチが飛んでるんですよ。「ちょっと待て待て」って起きて、もう一度「明日はこうやってこうやって・・・」って作戦を全てチェックするんですよ。

 

で、チェックして大丈夫だなって思ってたらまた横になると、50日間のトレーニングが走馬灯のように思い出されるんですよ。「あそこ毎朝走ったよなぁ・・・」とか。「パートナーに助けられたなぁ・・・」とか。「お袋に助けてもらったなぁ」とか。

 

天野:もう特攻隊の前の日みたいじゃないですか・・・。

 

小比類巻:そうなんですよ。で、携帯パッとみると仲間とか友達からメッセージが届いてるんですよ。だから寝る前に、一人一人のメールに魂を込めて返信をしたり電話をしたりするんですよ。

 

そしたら何か知らないけどいろんな人に感謝をしてるんですよね。ものすごく。

 

そうするとなぜか心の中で自信がみなぎって、力が100%から120%になるんです。で、明日は俺はもう全部のエネルギー持っていけるから大丈夫だってなって、寝るんです。僕チャンピオンベルトを4つ持ってるんですけど、その試合のときは全部これが完璧にできてましたね。

 

天野:リングに上がる前の、そこの準備ってすごいですね。

 

小比類巻:もうそこですね。それがあってこそ、突然の閃きとか勘とか全てが生まれるんです。僕のKOシーンとか、まったく無意識にKOしてるときとかありますからね。

 

天野:すっごいなぁ。そう考えると日々の仕事とか姿勢とか改めないといけないなぁって思いますよね。

 

 

キックボクシングジム(小比類巻道場)を主宰

 

「ミスターストイック」とも呼ばれる小比類巻さん

 

 

 

<あとがき>
男性だけでなく、女性が大変熱心にメモを取ってらっしゃった姿が印象的でした。「格闘技」という言葉から抱くイメージが皆それぞれあると思います。
小比類巻さんという格闘家が、日常の生活に活かせることを分かりやすく伝えてくださったことに他ならないと感じた一コマでした。

 

小比類巻さんの人柄も伝わる大変温かい気持ちになったシゴトバCAMPUSとなりました。ありがとうございました。

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